The World Is Always Against Me

うちの父親は、昔、アメリカが好きで、アメリカに留学したかったが、費用やいろいな問題でできなかった。大学を出て、某百貨店に就職、以後30年、ずっと勤続している。
俺はアメリカが好きで、留学するために短大に入ったが、費用やいろいろな問題でできなかった。そして今、父親と同じようなサラリーマンとして働いている。
父親は毎晩仕事が嫌だと愚痴をこぼす。俺も同じ。仕事が嫌だ。何のために働いているのか?会社のために。お金のために。俺は人のために、自分を含めた人のために働きたいのだ。会社は現代の抽象化だ。整然と並ぶデータ、飛び交う大人語、営業成績。そんな中でどうやって自分の場所を見つけるのか。抽象化されすぎていて俺には理解できない世界の中で。
俺は俺の父親のようにはなりたくない。毎日仕事の愚痴ばかり。脱サラしたいと口ばかり。それで何十年と生きたくない。俺は俺のやりたい仕事を見つけたい。そのためにリスクを負うことになったって構わない。ただそれだけなのになぜこうもうまくいかないのだろう。きっと俺が悪いのだ。俺の努力不足なのだ。それは分かっているのだが…。
俺は父親の二の舞は踏まない。やりたい仕事を見つけてやる。アメリカにも行ってやる。夢も叶えて俺が正しかったことを証明してやる。
怒りが俺に戻ってくれさえすれば。