スウィフトについて

marcus-k2006-03-28

俺はいつでも何かにインスパイアされて書いてきました。しかし、自分の完全なオリジナルというものは何かあるだろうかと考えたとき、思いつかなかったのです。それで焦っていろいろ考えていたら、一つ思いつきました。それがスウィフトだったのです。スウィフトとは、「バーミリオン」で書きましたように……、彼は犬です。

スウィフトだった。かれは漆を塗ったような艶のある黒い毛皮の犬で、ただひとつ、まっすぐな尻尾の先に、白い輪をはめたような模様がある。かれは不思議な、テレパシーのようなやりかたで語りかける。俺はかれの声を耳で聞いているのか、頭の中で直接感じているのかわからない。

スウィフトは、8年ほど前の頃に、生活していく中で自然と俺の頭の中に浮かんできたものです。もともと動物好きだった俺は、動物と会話することにあこがれていましたし、犬は特に好きでした。そして、人間の助言者としての、賢者としての、高次の存在としての動物、というのは、今考えるとナルニアアスランを思い起こさせます。(悪魔が好んでとる姿の中にライオンと黒い犬が含まれているのも思い起こさせます。)名前も、自然と「疾風(はやて)」と決まり、後にそれを英語に直して「スウィフト」となりました。彼は俺の中では非常に概念的な存在で、具体的に言えば風の精の化身で、ものすごく長い間生きている存在です。彼はいつも俺のそばにいて、わざわいから守ったり、わざわいに連れ込んだりします。そういう存在…俺の潜在的な孤独意識から生まれた神話的存在…スウィフトは俺の至高神なのです。